草茫々
暖地では、夏から秋は庭仕事はシーズンオフ、ひたすら水遣りと害虫取りに勤しむのみである。
雑草が生えないよう、隙間なく植物を植え込んでいるのだが、だいたいこの時期になるともうコントロール不能で、庭の草花自体が茫々に生い茂って鬱蒼とする。
どうやら人が見れば(ジャングルみたいな)すごいことになっている庭らしいのであるが、個人的には決して嫌いではないのである。
別に人のための庭でもないしね。
昔の庭にも雁金草を植えていて、苦労なく育って、秋に面白い花をつけるのが気に入って、それでまた植えたのだ。
薄の穂も雁金草の花も、夕日の中で揺れる様が楽しい。
雁金草の難点は、ふと体に触れるとあまり良いとは言えない匂いがするところだ。
『パープル・フォール』というこの薄は、晩秋に紅葉するところが優秀なのであるが、実はもう一つ、とにかく出穂が早いというところがある。
だいたい、6月末には出始めて、ずっと穂が出続ける。薄なしのお月見を過ごさなくてもよいのだ。
今もう一つ、小ぶりな糸薄が穂を出し始めている。
何かの苗に紛れていつの間にか生えたものだが、2年目の今年、素晴らしい糸薄となった。
今年の仲秋には間に合わなかったが、十三夜にはいい感じになりそうだ。
暑くなる前に、秋にこうであったらいいなと植えた秋草たちもいつの間にか咲いている。