夏の宵に酔う
庭仕事に夢中になって気づけば夕方、そんなときふっと香って、忙しく通り過ぎようとした私の足を止める。
風蘭も春蘭も、東洋の蘭はなりは小さいのに、はっとするほど香る時刻があるのだ。
えもいえぬとはこのことか?
自然は、最高の調香師。
古典園芸の愛好家の方には叱られそうだが、ざっくりと大したお世話もなく育て、毎年株が増えて花芽も増えている。
ミズゴケが傷めば春先に替え、成長期は普通に水やりし、冬場はほとんど忘れ去る、というような。
赤花なので猩々の名なのであろうけど、この香りに見ているほうが酔ってしまうからかもしれない。
たまたま、時代の可愛い『猩々』の軸に出会って、ちょっと浮かれて帰ってくるとこの花が咲いていた。
ちょっと嬉しく思ったのん、私。
おまけ
剪定枝のロマンチカが意外や水揚げがよかったので、もう少し水を入れられる器に移した。
伊万里の小ぶりなお銚子に(ここでも酔っ払い)。