komoriku ~庭暮らし~

酷暑の暖地都市部、雑木と茶花系宿根草で持続可能&多品種超密植のお庭を探求する日々。

持続可能なお庭

ハイブリッド・ルゴサ ヘンリーハドソン komoriku 庭ブログ
育成中の『ヘンリー・ハドソン』

趣味は庭仕事です、って言えるのはトクをしている。
私が土いじりを始めたころはガーデニングなどという言葉もなく、
「趣味は庭仕事です」というと大抵きょとんとされた(当時は若者の趣味ではなかったのだ)。
しかし、今やガーデニングは市民権を得ている上、
きれいな?花を育てる=善行、育てている人=善人、なのである。
そんなことないのにね、虫は虐殺するし化学兵器も使うよ、、普通は。
生きる上で必要でもない趣味のためにする、これらをどう扱えばよいのか。

ハイブリッド・ルゴサ シュネーコッペ komoriku 庭ブログ
『シュネーコッペ(スノーペイブメント)』

昨年亡くなられたイギリスのガーデナー、ベス・チャトーの庭は
日本でイングリッシュガーデン全盛の頃に知り、ちょっとした衝撃だった。
薔薇と宿根草が自然風に咲く庭とは異なる、グラスやグラベル(砂利)の庭。
その頃の私は好みの花を綺麗に咲かせることに必死で(今もそうだが)、自然風と言いながら自然からは程遠い庭しか見たことがなかったのだ。
ベス・チャトーの庭ももちろん自然ではないが、でもコンセプトが根本から違う、植物や環境に無理を強いない庭だった。

3年前、建て替えによって自由に作ることのできるスペースを少しばかり得たとき、好きな植物を植えたいけれど、自分自身持続可能なことが課題だった。
平素は水遣り程度しかできないのだ。
ならばローメンテナンスにするにはどうすればよいか、そこから庭づくりを始めた。

  • 樹木は土地に合った雑木で、成長の緩慢な株立ちを中心に
  • 草花は宿根草、茶花のような夏の暑さ・湿度に強い本邦産を中心に
  • 土が消耗しやすく、手入れに忙しい一年草はポイントを絞って
  • 大きくないものをちょっとずつ色々植えるが、適所を選んで
  • 薔薇はやっぱり好きなので、病害虫に強いものを選んで

こんな基準で、かつ自分の好みのものを選んでいった。
自分に無理のないやり方という独善的な魂胆で、かつ限られたスペースに色々植えようとした結果、いろいろの植物が自然に近い状態で季節によって入れ替わる庭、っぽいものになった。
そうすると、かつての庭にいた生き物が帰ってきて、やけに生物の多様性が実現しつつあるのである。
・・・やっぱりアホでも、庭のその先、、のことが思われてくる。

  • 自分にとっての害虫

・・・やむを得ないと判断したら自らやっつけ、薬に頼らない

  • 病気

・・・当面局所的には薬を使用するが、品種の選定含め回避策を模索

  • 肥料

・・・窒素の扱い、、空中の窒素を固定したし、輸入の窒素は避けたい

  • 水遣り

・・・当面は必要(今のところ日本では許される範囲として)

昔も木酢とかいろいろ使う工夫をしていた。
でもそれでも都市では買ってくるしかないわけで、それって自分自身持続可能なのか?
今も好きな薔薇は、最先端の育種では耐病性を高めているけど、それでも、昔のちょっと病気に弱い品種にも、育てていきたいものってあるのだ。
あーもっといろいろ学んで、打開策を考えたいぞ。
サスティナブルというのは決して楽な道のりではないというのが謎であるが、だけど、昔の農家の庭先などそういうものであったはずで、なんかうまいことできないかなーと考えるのであるが。

ハイブリッド・ルゴサ ベイシーズパープルローズ komoriku 庭ブログ
すっかり根付いた『ベイシーズ・パープルローズ』

初めに植えた薔薇のひとつ、ハイブリッド・ルゴサの『ベイシーズ・パープルローズ』の返り咲き。
ルゴサ系は病気に強くて基本的には丈夫なのであるが、耐寒性に優れる反面、耐暑性に劣ることが多かった。
その中でどうやらこれは暖地でも育つらしいと知り、試しに植えたもの。
何とか根付いて病気知らず、唯一の悩みの種はゾウムシに好まれるところ。(ふだんゾウムシをやっつける時間がなく、返り咲きの新芽がよくやられる。)
久しぶりに綺麗な花が咲いて嬉しい。
ルゴサはとにかく葉っぱの形や色が美しいので、あまり咲かなくも許せるけどね。

ハイブリッド・ルゴサ ベイシーズパープルローズ komoriku 庭ブログ
実はイジュとのせめぎあい

今年イジュを植えて、ベイシーズ・パープルローズは少し窮屈になってしまったが、なんとか生育はしている。
そういう訳で味を占め、耐暑性が見込めて、大きくなりすぎないルゴサを探求中である。
ルゴサの薄い花びらは暖地では暑さで縮れることが多いけど、それでも好きなんだなぁ。
あぁ、やっぱり私、植物に無理を強いているなー。